スポンサーリンク
スポンサーリンク

『JTのM&A』を読んだ感想

tabacco

皆さんはJTという会社をご存知でしょうか。

バレーボールをやっている方であれば、ご存知の方が多いのかもしれません。日本のバレーボールリーグにはJTサンダースJTマーヴェラスといったバレーボールチームがあるらしいですね。

そして何より、タバコを吸っている方であればお馴染みの会社かと思います。

何を隠そう、JTとは、日本たばこ産業株式会社の略称です。旧、日本専売公社のタバコ事業を引き継いだ特殊会社でもあります。

さて先日、ナマズは「JTのM&A」という本を読みました。

M&Aとは、Merger and Acquisitionの略です。見慣れない単語ですが、合併と買収と訳すことが出来ます。

つまり、この書籍は「日本たばこ産業株式会社の合併と買収」をテーマにしたものです。

本投稿では、その触りだけでも紹介していければと思います。

スポンサーリンク

JTの成り立ちとM&A

JTのルーツは今から約100年以上前の1904年にあります。

それ以前は、民間タバコ会社による競争がありましたが、戦費調達のために専売制度へ移行し、専売公社のタバコ部門となったのが、その年でした。

そこから80年ほど経った1985年に、専売制度が終了するとともに、JTとして民営化・会社化することとなります。

それから後、JTは既に攻略済みであった日本国内のほか、日本の外へとマーケットの拡大を行います。そして、着実に売り上げを伸ばすことが出来ていました。

しかし、その先に待ち受けていると思われる「既に巨大な売り上げ高を誇る多国籍企業とのシェア争い」に対抗するためには、外国でゼロからブランドを立ち上げたり、広告を出したりすることが時間的にも、費用的にも難しかったそうです。

西暦1999年当時、世界のタバコ売り上げのトップがフィリップモリス、第2位がブリティッシュアメリカンタバコ、そして第3位につけていたのがRJRナビスコでした。(ちなみに現在でも、1位、2位はそのままですね笑)

ここでJTは、当時の日本企業によるM&Aでは史上最高の買収額となる9400億円を叩いて、RJRナビスコの買収を成功させます。その結果、JTはタバコ会社世界3位の座に君臨します。

そして2007年。当時の世界タバコ売り上げ5位のギャラハー買収も成功させ、世界3位の地位を確たるものにしました。

では、典型的な日本企業がルーツであるJTが、いかにして巨額買収を成功させたのでしょうか?

「買収を成功」といっても「お金を捻出して積み上げるだけで成功!」という単純なものではありません。

買収元、買収先の給料や働き方、文化や風土の違いなども勘案し、統合後により多くの儲けを得ることが出来なければ、真の意味での買収成功ではないのです。

本書籍の著者は、専売公社時代にJTへ入社し、RJRナビスコのM&A後のJTの財務機能強化を経て、ギャラハーM&Aの指揮を執った当事者です。

なので、この書籍にはJTの歴史や戦略をはじめとして、M&Aの計画準備~買収~統合の成功談・失敗談が豊富に盛り込まれています。

JTの経営理念 = 4Sモデル

本著に登場した、JTの経営理念のハナシを少しだけ紹介したいと思います。

よくある話ですが、「会社は誰のためにある?」を論じるとき、ナマズのような個人投資家であれば、会社は株主のために利益を生むもの、という意見が殆どでしょう。形式上はそれで正しいと言えます。

しかし、サラリーマンとしてのナマズの勤め先を考えてみると、会社は従業員のためにも一定の責任を果たすべきである、とも思います。

そして、もちろん会社の製品は社会を豊かにするべきだとも思いますし、何より一般市民がその製品やサービスを利用できることで、(間接的にでも)その利益を享受できるべきという考え方もあります。

そこでJTは、経営理念として4Sモデルを掲げています。

4Sとは、4つのステークホルダーという意味で、それぞれ株主従業員社会・そしてお客様、を意味します。

その4者の満足度を高めていくことをグループ共通の経営理念とすることで、JTはブレること無くグローバルに成功を収めているのです。

これは、たばこ業界のトップメーカー達が収益力にモノを言わせた株主還元を拡大するあまり、従業員や客、社会への還元が二の次になってしまっていることを、歴史的に目の当たりにしているからこその経営理念だと、筆者は語っていました。

具体的には、コストカットのためにタバコの品質が粗悪になってしまったり、従業員の待遇が悪くなり士気が下がってしまったりするなどです。

特に、M&Aが発生すると、買収元・買収先ともに、仕事量が増える人材、配置換えが発生する人材、やむを得ず会社を去る人材が発生します。M&Aのしわ寄せは幹部ではなく、むしろ非役職者が被るケースが多いと述べられていました。

しかし、JTはこれまでの経験や蓄積からそのあたりのことは熟知しており、様々な手法により社員の満足度を高めることで、相乗効果で4S全体が底上げされることを知っています。これらのメソッドが本著に豊富に盛り込まれており、企業の稼ぐ力を上手い具合に伸ばす工夫などが散見できました。

投資対象としてのJT

さて、投資対象として見たときにJTですが、注目すべきポイントは6%の配当利回りでしょう。これが意味することは、100万円分の株を保有していると年間6万円が返ってくるということです。

そして、JTの連結配当性向(予想)は74.6%。つまり、利益のうち74.6%を株主還元のために充てる予定だということです。

日本企業の各数値の平均はそれぞれ、配当利回りが2%程度、配当性向が30~40%程度と言われていますから、 上述の収益力にモノを言わせた過度な株主還元に当たるのではないでしょうか・・・?

さて、ここでJTの経営理念である4Sモデルに立ち戻ってみましょう。

この書籍を読んだ後だと、高配当の実施によって株主を大事にするその裏では、従業員・社会・お客様に対しても同じぐらいの還元をしている結果ではないのかと思えます。

つまり、企業の競争力としても十分に持続可能な範囲内の配当なはずですし、決して株主だけを向いた経営をしていないはずです。

一方、4Sモデルを深読みしてしまうと、「フィリップモリスやブリティッシュアメリカンタバコは株主第一で連続増配を続けているが、JTは株主だけが第一ではない」とも読めなくもないです。そう読めてしまうと思えた場合、減配リスクなどから投資は控えたほうが良いでしょう。

まとめ

本投稿はJTの歴史に始まり、「JTのM&A」で語られていた内容のほんの一部を紹介しました。

ナマズが語っていない部分の他にも、年号や当時の情勢、具体的な数値を交えながら、M&Aにおける考え方が事細かく語られています。しかも、文章がきれいなため非常に読みやすく感じました。

国内需要が落ち込んでいくなか、いわゆる大企業に勤めている人たちの中には、海外の会社を買収したり、業務提携を行ったりする機会が、これからは多くなっていくと思います。

そういったケース、つまり日本人が海外の人や事業所と協業するためのマインドやロジックを学ぶという意味においても、この書籍は有益なように思います。

そして何より、JT株式のエターナルホールドを決め込んでいる方は、JTの過去と未来を知るという意味でも、読まないわけにはいきません笑

そんな気にさせてくれる書籍でした。

↓のボタンクリックで応援をお願いします。日々のモチベーションに繋がります!
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
スポンサーリンク
スポンサーリンク
雑記
スポンサーリンク
スポンサーリンク
カブナマズの高配当米国株投資

コメント

タイトルとURLをコピーしました